【物語概要】
嵐のような教育実習生
〇校2年生の西野悟(にしの さとる)は、変化のない退屈な日常を過ごしていた。
そんなある日、彼のクラスに教育実習生がやってくる。
教壇に立ったのは、眩しい金髪をツインテールに結った美女、二階堂るみ(にかいどう るみ)。
「元ギャルだけど、本気で教師を目指してます!
みんなよろしくね!
」
その派手な見た目と強烈なキャラクターに教室は騒然。
真面目な教職員たちからは白い目で見られがちなるみだったが、悟はどこか彼女から目が離せなくなっていた。
二人だけの秘密の放課後
ある日の放課後、悟は忘れ物を取りに戻った教室で、一人頭を抱えて指導案を作るるみの姿を見かける。
普段の明るい態度とは裏腹に、彼女は「生徒たちに頼られる立派な先生になりたい」と、影で誰よりも必死に努力していたのだ。
不器用ながらも真っ直ぐなるみの姿に心を動かされた悟は、プリントの仕分けやパソコンの操作など、実習の準備を手伝うようになる。
「西野くん、本当に助かる!
頼りになるなぁ」
距離が縮まるにつれ、るみの屈託のない笑顔や、ふとした瞬間に見せる大人の女性としての表情に、悟の胸は高鳴っていく。
るみもまた、クールだけどいつも自分を支えてくれる悟に、教師と生徒の枠を超えた愛おしさを抱き始めていた。
雨宿りと、気づいてしまった想い
実習期間も折り返しを過ぎたある日、突然の豪雨で二人は駅前の雨宿りスポットに閉じ込められる。
冷える身体を寄せ合う中、るみは自分の過去をぽつりぽつりと語り出した。
かつて自分を救ってくれた恩師のようになりたいこと、そして、この実習が本当に楽しいということ。
「…でもね、実習が終わったら、西野くんに会えなくなるのが一番寂しいかも」
寂しげに微笑むるみを見て、悟は自分の気持ちを確信する。
これは単なる憧れではなく、一人の女性への「恋」なのだと。
しかし、彼女は教育実習生。
想いを伝えることは、彼女の夢を壊すことになりかねない。
悟は募る想いを胸にしまい込むことを決意する。
涙の実習最終日、そして……
ついに迎えた教育実習の最終日。
クラス全員からの寄せ書きを渡され、るみは大号泣しながら「みんな大好き!
」と感謝を伝える。
しかし、その場に悟の姿はなかった。
別れが辛くなるのを恐れ、わざと屋上に身を隠していたのだ。
そこへ、息を切らせたるみがやってくる。
彼女は悟を探し回っていた。
「西野くん、挨拶もしないでいなくなるなんて、先生許しません!
」
「…るみ先生。
俺、先生のことが好きです。
だから、綺麗にお別れなんてできなかった」
思わず溢れ出た悟の告白。
るみは驚きに目を見開いた後、愛おしそうに微笑み、悟の頭を優しく撫でた。
「ありがとう。
…でも、今はまだ『先生』だから、その気持ちには応えられない。
だから、約束して。
西野くんが卒業して、私が本当の教師になったら、もう一度その言葉を聞かせて?
」
るみはそう言い残し、実習生として学校を去っていった。
結ばれる未来
それから1年後。
〇校の卒業式を終えた悟の前に、一人の女性が現れる。
髪を黒く染め、少し大人びたスーツ姿のるみだった。
彼女はついに、正式な教師としての採用が決まったのだ。
「待たせてごめんね、西野くん。
…ううん、もう『悟くん』だね」
「るみさん。
俺の気持ちは、あの時から1ミリも変わってません」
サクラ舞う通学路で、今度は「先生と生徒」ではなく、対等な「男と女」として二人は手を繋ぐ。
切なくも真っ直ぐな恋が、最高のハッピーエンドを迎えた瞬間だった。
2026/06/10
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