○シナリオ
勇者。
それはか弱き民のため、己を犠牲にして悪に立ち向かう英雄。
そして、我々の天敵。
私の名はアクティ。
かつて魔界を制し、人間界をも征服しようと目論んだ魔王……の娘だ。
父は強かった。
私は父の世界征服を微塵も疑わなかった。
しかし勇者の強さは、我々の想像を遥かに超えていたんだ。
父の断末魔は、今でも耳に残っている……
魔王軍は父の死と共に壊滅。
魔界の象徴だった魔王城も崩壊。
生き残った兵達は、散り散りになって逃走した。
私も同様だ。
父の亡骸に背を向け、惨めに逃げ出した。
ただ他の魔族と違い、私だけは危険を冒し人間界に逃げ込んだ。
その理由はただ一つ。
私が、サキュバスだから。
サキュバスは淫魔と呼ばれる種族。
人間離れした美貌を武器に、男の精子を搾り取り、それを養分とする。
つまり生きるため、私は敵地に潜んでいるのだ。
そして力を蓄え、いずれ父の仇を……
「アクティちゃ〜ん!
ご指名だよぉ!
」
「はぁ〜い(はーと)」
私が潜入したのは、人間界のメンズエステ。
それも、ちょっとエッチなお店だ。
『特別コース』のお客様には、『ヌキ』のサービスがある。
私は男の精子が栄養分。
だけどセックスは嫌いだ。
特に人間との交尾なんて、考えただけで虫唾が走る。
『ヌキ』で終わるこの店は、私にピッタリなんだ。
私は自分の姿を自由に変えられる。
はち切れそうな程の爆乳、細く魅惑的なくびれ、男の視線を独り占めするヒップライン。
そこに艶やかな金髪と、国宝クラスの美顔を合わせれば、店のトップを勝ち取ることなど造作もない。
客の指名は後を絶たず、私は空腹とは無縁の快適生活を送っていた。
「しょせんは人間、チョロいもんね」
今日の客はどんな男だろう。
できる限り、性欲の強い男がいいんだけど……
「ま、お腹が満たせれば何でもいいか」
私はいつも通りの営業スマイルで、個室の扉を開けた。
「すいませぇ〜ん、お待たせしましたぇ(はーと) アクティでぇ……す」
そして、フリーズする。
「……へっ?
」
そのお客様に、私は見覚えがあった。
「キミがアクティちゃんか。
噂通り、すげーかわいいじゃん」
だらしなく緩んだ顔。
それと反するように鍛え上げられた肉体。
全身から感じられる膨大な魔力。
間違いない、この男は……
(お父様の仇の勇者じゃん…!
!
)
私は破裂しそうに動悸する心臓を抑え、何とか冷静を装う。
私の正体を知ってあっちの世界から討伐に来たわけではないらしい。
本当に遊びに来ただけのようだ。
「どうしたの?
汗びっしょりだけど」
「だ、だ、大丈夫です!
」
勇者が顔を寄せると、私は慌てて後ずさった。
落ち着け、落ち着け、落ち着け。
怪しまれちゃいけない。
もし私が魔族だと……魔王の娘だとバレたら、確実に殺される。
「そ、それでは服を脱いで、ベッドに寝てください」
「はいは〜い♪」
魔王の娘による、命がけの特別サービスが今、幕を開ける。
※本作品はAIイラスト生成を用いています。
※本編57ページ+CGイラスト22ページ
2026/04/04
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javy.jp
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