’夏の夜、近所の花火大会。
帰り道、紗季と並んで歩いていた。
「ねぇ、覚えてる?
昔さ、将来結婚しようって言ったの」
浴衣姿の彼女が、不意にそんなことを言い出す。
「…あのとき、本気だったの?
」
「じゃなきゃ、今さら言わないよ」
ふざけ合う関係のままだと思ってた。
でも今の紗季は、少しだけ大人びて見えた。
――夜風と花火の音に紛れて、心の距離がそっと縮まった。
’
2026/06/02
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