’「お兄ちゃんってさ、私のこと‘女の子’として見たことある?
」
無邪気な顔でそんなことを言う陽菜。
だけどその視線は、どこか挑発的で、あどけなさと色気の狭間に揺れていた。
ふたりきりの夜、親はまだ帰ってこない。
ソファの距離が少しずつ縮まり、彼女の指先が僕のシャツの袖をつまむ。
兄妹という名の関係が、かろうじて保っていた境界線。
それが今、彼女の一言で音もなく揺らいでいく。
―あの夜を‘なかったこと’にしたのは、僕の方だった。
’
2025/11/06
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