■プロローグ
季節は立春。
男は宿の予約をしていた。
その宿は人里離れた田舎町……秘境と言っていいほどの山間にあった。
冬の底がちょうど終り、徐々に春の萌しが見えてきたが、まだ町は雪に覆われていた。
道中は雪の壁、いつものバスも天気の影響を受け一本になっていた。
もしかしたら、来られないかも知れないと男は宿に伝えていたが、なんとか来ることができた。
宿に着き、玄関を開けると初めての声と姿が、廊下の奥から顔を覗かせていた。
【和椛】
「あのぉ…………えっと……どなた様でしょうか……
2019/06/29
8本 (約56分)+α
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javy.jp
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