■プロローグ
季節は秋。
男は宿の予約をしていた。
その宿は人里離れた田舎町……秘境と言っていいほどの山間にあった。
村を囲む山々は紅く色づき、秋の風景をこれでもかと主張していた。
紅葉が綺麗ですから、とあの宿の女性が言っていたのを覚えていた。
紅葉狩りのついでに宿で数泊。
チェックインは夜にしていたので、時間はたっぷりとある。
つらつらと紅葉が美しい山道を歩いていると、見慣れない女性に声をかけられた。
【楓】
お一人で紅葉狩りですか?
女性は穏やかな笑みを浮かべ、山々をゆっ
2019/06/29
10本 (約70分)+α
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